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第3回 睡眠薬は本当に安全?

 

当サイト/当ブログご訪問の皆様、こんにちは/こんばんは。

ミヤタ メディカル クリニック 院長 宮田 晃史です。

 

今回は、患者さん(になるかもしれない方々)の今と未来を守るための大切な情報をお伝えします。

 

 

部の不眠症治療薬に重大副作用など追記

 

厚生労働省、「死亡を含む重篤な自傷・他傷行為、事故」などで

 

厚生労働省は2022年7月20日、不眠症治療薬マイスリー(ゾルビデム酒石酸塩)、アモバン(ゾピクロン)、ハルシオン(トリアゾラム)、ルネスタ(エスゾピクロン)の4剤に対して、「内服した患者が死亡を含む重篤な自傷・他傷行為、事故などの報告がある」旨の重大な副作用の可能性がある事を、添付文書に追記する指示を出しました。

それを受けて、医薬品医療機器総合機構は海外措置状況や国内副作用報告状況を踏まえた措置で、改定情報を伝える事になりました。

 

具体的にはこうなります。

 

マイスリー

睡眠随伴症状(無遊症状)として異常行動を発現したことのある患者:禁忌

死亡を含む重篤な自傷・他傷行為、自己等の報告がある:重大な副作用

 

アモバン/ハルシオン

睡眠随伴症状(無遊症状)として異常行動を発現したことのある患者:禁忌

ルネスタ

睡眠随伴症状(無遊症状)として異常行動を発現したことのある患者:慎重投与

 

過去3年間では、国内外の報告例として因果関係は証明されていないが上記副作用が3例報告されているための措置となりました。

 

つまり上記を簡単にまとめると以下になります。

過去3年間で因果関係は証明されてはいないですが、国内外で数例副作用の報告がありました。

寝ている間の異常行動がある患者さんは、アモバン/ルネスタ/ハルシオン/マイスリーは内服しないで下さい。

マイスリーの副作用は稀ではありますが、自身を傷つけたり、周囲の人を傷つけたりして、場合によってはお亡くなりになる事があります。

 

マイスリー/アモバン/ハルシオン/ルネスタは短時間で効果が切れるので、翌朝のふらつき等の症状がなく、とても使いやすい睡眠薬です。また、副作用とは別件で依存性(やめられなくなる)の可能性もあります。

 

日本国内では、「眠れない」といったら病院どこでも安く睡眠薬が入手できます。

 

・医師としては使える薬の条件が悪くなった時に、他の治療手段が限られている

・保険診療投薬治療に頼っている患者さんは、値段とアクセスの条件が悪くなることを歓迎することができない。

 

不眠症の治療は保険診療睡眠薬治療に依存すると、厳しい展開になりかねないです。

「安くて、便利で、確実で、安全」なものはありません。

 

皆様、何を大切にしますか?